歯の移植とは
歯を抜かなければならない状況の方は、今一度親知らずがあるかどうか、歯の移植ができないかどうかを検討して下さい。
歯を抜く基準は歯科医院によってばらつきがあります。まず歯周病治療・歯周組織再生治療や精密根管治療で保存を試みましょう。もしそれでもダメな場合は親知らずを移植する自家歯牙移植(歯の移植)を検討しませんか?
歯を抜いてインプラントにするというのは何処の歯科医院にいかれても説明を受ける治療方法でしょう。しかしインプラントに勝るものはご自身の歯そのものです!
歯が既に無くなっている方でも親知らずを移植することで咀しゃく能率を格段にあげることが可能です。例えば、4本の奥歯が無い方でも4本の親知らずが残っていれば適応症になり得るかもしれません。
また、お子さんでの歯の移植もが可能です!一般的に小児歯科では移植を推奨しませんが、乳歯から永久歯に生え変わり永久歯の形成が完了する前であれば歯牙移植をしても神経や血管までもが残せる可能性が大いにあります!
移植の適応
・歯根破折、むし歯で崩壊、または根に膿がたまり難治性で抜歯しなければならない場合
・既に歯を抜かれている場合
・その場所にインプラントを入れようかブリッジにしようか迷われている方
*以上は移植出来る親知らず、または機能していない歯をお持ちの方が対象となります。
歯の移植のもたらす可能性
歯が無い所に行う治療法としては一般的に「ブリッジ」「入れ歯」「インプラント」の3つです。「ブリッジ」は隣の歯を大きく削る必要性があります。「入れ歯」は取り外しの手間がかかります。「インプラント」は有益ですが、コスト的に大きくなります。
一方、「歯の移植」には、以上に挙げた問題点を全て解決してくれます。
また、みなさんが気になる、どれだけ持つのか?という点でも、5年生存率は90%(インプラントは95%)、10年生存率は80%(インプラントは90%)とも言われます(参考 Tsukiboshi M, 2002)。また、15年、20年以上も機能しているケースも多々あります。
色々説明しましたが、やはり、最大の魅力はご自身の歯で咬める。これに尽きるのではないでしょうか!?
当院で行う口腔外科
口腔外科では、お口の中をのぞいて見える全てに生じた病気や怪我を治療します。
良く知られているのは、親知らずの抜歯や転倒などでお口の中の怪我をした場合の治療が挙げられますが、他にも下記のような症状に対応します。
埋伏歯の抜歯
うずく・痛いと言ったような悪さをする「親知らず」の抜歯や、歯が生える邪魔をしたり・歯並びを悪くする「過剰歯」の抜歯を行います。
歯に起因する炎症の処置
歯ぐきが腫れて痛い、顔が腫れてきた、など保存不可の原因歯の抜歯や、急性症状が強いときは点滴を行います。
嚢胞(ウミの袋)摘出
顎の骨が膨隆してきた、歯科でレントゲンを撮ったら顎の骨に骨透過像があると言われた、など、骨の中に生じた「嚢胞」を摘出します。
粘液嚢胞摘出
しばしば唇の内面や舌に透き通った膨隆ができて、つぶれることもある、唾液腺由来の「嚢胞」を摘出します。
小帯切除
唇や舌の下にある「スジ」を切除します。この「スジ」が硬直していると、「すきっ歯」や「部分的な歯周ポケット形成」「発音障害」などの問題を生じます。
外傷処置
転倒やぶつけたりした際の外傷による「抜けた歯・抜けそうな歯」の固定や、唇の「裂創」の縫合処置を行います。
転倒などでお子さんの歯が欠けた!抜けた時
歯を折ってしまったり、抜けてしまった場合は、極力、歯を捜して持ってきてください。
そして、出来るだけ乾燥させないようにして、なるべく早くおいでください。
医学的には細かな保存方法はありますが、とっさの時は、「口の中に入れておく」、または「牛乳に浸す」と覚えておくとよいでしょう!